【190】
トーコの著作権料。
人間の手で創り出された
世の中の全ての制作物に
著作権が
存在するのだとしたら
「私という人間の著作権って
やっぱりパパとママに
あるんだよね?」
私の素朴な疑問に
「…トーコの著作権?」
パパとママが
ふたりして顔を見合わせる。
「著作権というモノには
普通、どこかに
ウマ味があるモノだが…」
パパッ。
それはど〜ゆ〜意味ですかッ。
「むしろ製造責任者という
思いの方が強いわよね♪」
ママッ。
何もそこまで言わなくてもッ。
「……」
悪気なく盛り上がる
両親を横目に
ひとり静かに部屋に戻り
落ち込んでいたら
トントン、と
私の部屋のドアが
珍しくノックされた。
「今夜は研究室のレポートを
書かなくちゃいけないから
お前の勉強みてやれないけど」
セイが少し開いたドアから
こっちを覗き込んできて
「…どうせ不良品の私なんかに
勉強なんか教えても
時間の無駄だよねッ」
私はヒネくれて布団を被るッ。
「…俺はトーコの著作者に
一生を掛けて
お礼をしなきゃいけないから」
著作者に少しは
期待して貰えるよう
「頑張って稼がなくちゃな」
なんて。
「……」
いつになく
ドアを閉める音もやさしい
セイだった。
とことんトーコッ☆【190】
≪〜完〜≫
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