【189】

ママといっしょに
お出掛けしたデパートで
可愛い部屋着にひと目惚れ♪

「クリーム地に
ぺイビーピンクに
ラベンダーに
ミントブルーに
シトラスオレンジ♪」

アイスのような
やさしい色合いのシマシマも
キュートな部屋着♪

もこもこ素材が
これまた肌触りよくッ♪

「こんなのおウチで着れたら
もう私、ママの言うコト
何でもきいちゃうのにな〜」

一生のお願い、を
ダメ元で繰り返してみたッ。


「…それで結局、母さんに
買わせてしまったんだ？」

「ママだって最後には
この部屋着のよさを
わかってくれたしッ♪」

セイの目の前で
くるん、と一回転して
真新しい部屋着姿を
披露する。


「…まあ、脱がせやすそうな
部屋着ではあるけどな」

ソファーに座っていたセイが
私の腕を掴んで引き寄せッ

「……」
「……」

セイの目の奥に
イケない野獣の妖しい輝きッ。


セイの手が
もこもこ素材の部屋着の中に
滑り込むと

「ああ〜。
いいお湯だったわッ♪」

ママがお風呂から
上がってきたッ。


「……」
「……」

「今夜は冷え込みそうだから
ふたりとも
暖かくして寝るのよ♪」

ママはミネラルウォーターと
いつものクスリを飲み終えると
早々に
立ち去っていったけどッ。


「…母さんも同じ部屋着を
買ったんだ？」

「うん、まあ、ね」

「……」


…以来

この部屋着を着ている私に
セイが
手出しをしなくなったのは

想定外の思わぬ効果ッ。





とことんトーコッ☆【189】

≪〜完〜≫