【170】

むかしむかし…。

「むか〜し、むかし」

「若いんだから未来を語れッ」

「あるトコロに」

「そこには一体
何があると言うんだッ!?」

「……」

…ケンちゃんが
好きだと言うから
わざわざ絵本を
借りてきてあげたのにッ。

「そんな風に
文句ばっかり言うんなら
もうご本なんて
読んであげないんだからッ」

私がケンちゃんに
マジ説教していると

「絵本なんて
子どものイマジネーションを
刺激してナンボのモノだろ」

セイがテレビを見ながら
エラそうにしてるからッ

「ケンちゃんッ
続きは、あのおにいちゃんに
読んで貰いなさいッ」

「おうッ!」

子どもロケットを
セイに向かって発射したッ。


ケンちゃんに
本をせがまれて

ちらり、と
面倒臭そうに
私の方に視線を向けた後

ケンちゃんの耳元で
セイがささやくような声で
絵本を読み始める…。


「むかし、むかし
あるトコロに…」

「そこはもう
トーコが読んだぞッ」


「…若くて頼もしい男性が」

「おおッ!?」


「頼もしい男性が」

「おおおおおッ」


「男性が…」

「おう…」


「……」

「…おおうッ…おッ!
おおおおうううううう…」


…イマジネーションという
快感のドーパミンッ。


セイは老若男女を問わず

悦びのツボを
実によく熟知していたッ。





とことんトーコッ☆【170】

≪〜完〜≫



この作品をお読みになった
感想をお寄せください。


下記の感想の中から
ひとつ選び

【いいね!】ボタンを押すと

お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。


絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。



特に感想はありません。
次の話も期待しています!
今回の話は特にお気に入りです!