【169】
ウンコは世界の共通語。
中東からやってきた
パパの新しい同僚さん。
「一緒に連れてきた
お子さん達が
日本語も英語も
わからないらしくって」
お友達が出来なくて
困っている、と
相談されたママが
「音楽は全世界の共通語」
ウチのマンションの
音楽教室を紹介したらしい。
「ちょっと気になるから
さりげなく音楽教室に
様子を見にいってくれるかしら」
子ども達を心配するご夫婦に
我が家のリビングで
お茶を出しながら
ママが私とセイに
面倒を押しつけてきたッ。
「覗いてきたってコトにして
さっさと部屋に戻ろうぜ」
エレベーターの中
子ども嫌いのセイが
無責任なコトを言うッ。
「ケンちゃん達と
仲良くやってくれてれば
いいけれど…」
「ガキどもだって
コトバも通じない
外国人なんか相手にしても
面白くも何ともないだろう」
遠巻きにしてるのが
オチだ、って
セイは笑っているけれどッ。
案の定。
音楽室から
どこのコトバともつかない
早口な怒声が聞こえてきてッ。
「ケンちゃんッ!?」
おおきなカラダの
怒り狂う兄弟に向かって
ちいさなカラダの
ケンちゃんが
「ふぁ〜っくッ!!」
放送禁止用語を
連呼しながら
スケッチブックの絵を
高々と掲げ
兄弟を睨みつけていたッ。
…どうやら
ケンちゃんの
調子っハズレな歌声に
外国人兄弟が
ついつい
苦笑してしまったのが
発端だったらしいのだがッ。
「だからって
ウンコの絵を描いて
挑発するなんて…」
「ウンコを表すコトバに
侮蔑の意味がない国は
ないからな」
…ワールドワイドな
ケンちゃんは
ケンカの売り方も
世界基準ッ。
とことんトーコッ☆【169】
≪〜完〜≫
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