【168】
友チョコの落とし穴。
毎年、手作りしてきた
バレンタイン恒例の友チョコ。
「バレンタインなんて
浮かれていられるような
成績じゃないだろう」
…例え贈る相手が
オンナノコであろうと
私の手作りチョコが
自分以外の誰かに渡るのが嫌で
阻止すべく
セイが因縁をつけているのは
わかっていたッ。
だけど、俺様セイに
口で勝てるワケもなく
今年は市販品のチョコを
しぶしぶネットで
購入するコトになったけどッ。
いざ、ネットを検索してみたら
手頃な価格で可愛いチョコが
あるではないかッ。
「今まで時間とお金を掛けて
手作りしていたのが
バカみたい」
それは
宝石みたいにキラキラと
一粒一粒が違う紙で
オシャレに包まれていて。
「送料も無料だし♪」
何よりひとつひとつ
手作りしてます、って感じが
気に入った!
お気に入りの
キルトバッグにチョコを詰めて
当日は意気揚々と
学校に向かったのにッ!!!
「あら、どうしたの?」
せっかく買ったのに
チョコみんなに
配ってこなかったの?、って
意気消沈して
学校から帰ってきた私の
キルトバッグを
ママが心配げに覗き込む。
「…ちゃんとチョコは
交換してきたよ」
「え、だって」
これって
トーコが持って行った
チョコじゃないの?、って
ママが痛いトコロを
ついてきたッ。
「ネット人気ランキング
ダントツ1位の
チョコだからな。
みんなして同じチョコを
ネットで
買っていたんだろう?」
「うッ」
何でもお見通しのセイが
満足そうに笑っててッ!!!
くううううううッ。
「…セイが止めても来年は
愛情いっぱい入れた友チョコを
絶ッ対、手作りするからねッ」
あまりの悔しさに
セイの前で
キッパリと宣言すると
「もちろん俺の分も
手作りするよなッ!?」
…思いもかけず
あのセイが
私の前で、うろたえたッ。
とことんトーコッ☆【168】
≪〜完〜≫
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