【167】
フォンデュのお楽しみ。
もうすぐバレンタインデー。
「14日は日曜日だから
みんなでチョコフォンデュを
しましょうね」
ママがネットで購入した
フォンデュセットが
今日、ウチに届いた。
「ベルギーダークに
ベルギーミルク!」
「ヘーゼルナッツの
ブレンドも楽しみだね♪」
ささやかな贅沢に
ママとふたりで
盛り上がっていたら
「…何だ。
これっぽっちしか
買わなかったのか」
楽しみにしてたのに、って
セイがちいさく溜息をつくッ。
「セイがそんなに
チョコ好きだったなんて
ママ、知らなかったから」
ママが慌てて
追加注文を掛けようとした。
「いいよ、ママ!
チョコには
牛乳とか生クリームも
入るんだから!」
パソコンを
起動させようとしたママを
思い留まらせようとする私に
「牛乳って
どれくらい入れるんだ?」
セイがツッコミを
入れてくるッ。
「え〜っと、大さじ…」
「論外だな」
…確かにッ。
さじ加減くらいじゃ
かさ増しにも
なりはしませんけれどッ。
「フルーツやチーズに
つけて食べるだけだから
そんなにたくさん
要らないわよ!」
譲ろうとしない私に
セイのバカが
「せめてトーコのカラダの
表面積の半分を
コーティングできるくらいの
チョコの量は確保したい」
なんて
耳打ちしてきてッッ!!!!
アナタは
聖なるバレンタインに
いったい何を
企んでいるんですかッッ。
ああッ。
よからぬ想像に
額から汗が
こぼれ落ちてきたッ!!!
「チョコ
追加注文したからね〜」
何も知らないママの声が
切ないくらい弾んでますッ。
とことんトーコッ☆【167】
≪〜完〜≫
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。