【161】
黒光りするグローブ。
プロ野球チームのユニを着て
帽子を斜めに被った
ケンちゃんが
おじいちゃんに
買って貰ったという
新品のグローブを見せにきた。
「…オンナノコなんだから
もっとかわいい色に
したらいいのに」
苦笑する私の前で
ケンちゃんが
きゅっきゅっきゅ。
「はあ〜〜〜〜〜」
まっ黒なグローブを
自分の袖口で磨いてる。
「ますます黒光りして
ゴキブリのようだな」
なんてッ
セイが
からかったりするモノだから
ゴキゲンだったケンちゃんの
手が止まったッ。
「…お前達も
パパやママみたく
ウンコ色の方がよかったと
ほざくのか?」
…ブラウンはけっして
ウンコ色ではありませんッ。
「よく見ると黒も
カッコイイよねッ」
落ち込むケンちゃんを
慰めたのは
他ならぬこの私
だったのにッ!!!!!
「そ〜ゆ〜トーコは
何色のグローブを
持っているんだッ?」
「残念ながら
グローブは持ってないんだ」
「だろうなッ!」
私の答えに
ケンちゃんが急に
勝ち誇った顔をしてッ。
「野球はお友達がいないと
できないスポーツだからなッ」
「えッ」
ケンちゃんの断言に
セイが他人事のように
二つ折りになって笑っててッ
…ムカついたッ。
とことんトーコッ☆【161】
≪〜完〜≫
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