【155】

食べられたくなければ。


「あ〜ッ!!!!!
私のアイスが
なくなってるッ!!!」

お風呂上りに
食べるのを楽しみにしていた
チーズチョコナッツ味ッ!

「まだストロベリーも
バニラも残ってるだろう?」

リビングで
私のチーズチョコナッツ味を
ひとり優雅に
口にしていたセイに
反省や後悔の色はないッ。

「セイが好きだからって
わざわざ高いバニラ味を
買ったのにッ!」

「トーコもこの間
俺の大事なチーズを
食べただろ!」

開き直るその態度が
気に入らないッ!

「だったらセイも
食べられたくない
自分のモノには
ちゃんと自分の名前を
書いておきなさいよねッ」

私はセイの食べていた
アイスのフタを
ゴミ箱から拾い出して

「ほらッ!」

自分の名前が
書いてあったコトを
主張したッ。

「……」

さすがのセイも
ぐうの音も出なかったかッ。


「悪かったな」って

セイが食べかけのアイスを
返してきて…。

「えッ!?」

「食べるのを
楽しみにしていたモノを
誰かに盗られたら

やっぱり誰だって
気分悪いモンな」

ってッ。

もしかしてッ

これは生まれて初めて
私の主張がセイに
通ったんでしょうかッ!!!


うふうふうふ♪

奇跡の出来事に
嬉し涙を流しながら
私は気持ちよく床につくッ。


…翌朝、私のお尻に
油性マジックでしっかりと

セイの名前が
書いてあったコトは

言うまでもなかったけれど…。





とことんトーコッ☆【155】

≪〜完〜≫



この作品をお読みになった
感想をお寄せください。


下記の感想の中から
ひとつ選び

【いいね!】ボタンを押すと

お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。


絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。



特に感想はありません。
次の話も期待しています!
今回の話は特にお気に入りです!