【151】
財布を忘れたママの娘。
走って、走って
必死で走ってッ。
「ママッ!」
よかったッ!!!!
バスが来る前に
何とかママを
掴まえるコトができたッ。
「財布ッ
忘れていったでしょ」
「あら、本当!
バスに乗り損ねていたら
大変なコトになっていたわ」
本当にウチのトーコは
よく気がついて
頼りになるんですよ、って
一緒にバスを待っていた
見知らぬヒト達に
ママが我が娘を
ここぞとばかりに
手放しで自慢するッ。
「うらやましいですな」
「ウチにも
お嬢さんみたいな
やさしいオンナノコがいたら」
なんて。
見知らぬオトナ達に
チヤホヤされたトコロまでは
よかった、のにッ。
「あッ!!!!」
こんな場面で
今世紀最大の大失態ッ。
「…ママの財布
持って出るのを忘れた…」
なんてッ。
「……」
「……」
「……」
「ウチのトーコ。
ジョークも得意なんですのよ」
おほほほほ、と
自慢の娘の手を引いて
バス停から逃げ出すように
ママが猛ダッシュ、したッ。
とことんトーコッ☆【151】
≪〜完〜≫
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