【150】
ブックエンドの使い道。
お年玉を貰って
ひさびさに百円ショップで
オトナ買いッ。
「籐のカゴに
ギフトボックス!
ブックエンドも
可愛いカラーで
揃えてみましたッ♪」
リビングで戦利品を
ママに見せる私に
「本も読まないトーコが
ブックエンドなんて買ってきて
どうするんだ?」
セイがケチをつけてきたッ。
ブックエンドは
本を立てるのにしか
使えないなんて
「セイは
アタマが堅いんだからッ」
たとえばッ!
「冷凍庫の中に入れて
仕分けするのに使えるしッ」
私はブックエンドを手に
冷凍庫の中を開けるッ。
「…ちょっとサイズが
おおきかったみたいだわね」
ママが
冷凍庫を覗き込みながら
残念だったわね、と
苦笑しててッ。
「…だったら!
フライパンの整理に
使えばいいからッ」
私はブックエンドで
フライパンを立てて
「ほらッ!
棚の中もスッキリしたでしょ」
自慢げにセイの元に戻ると
ミシミシミシ、っと
キッチンの棚の中から
嫌な音ッ。
「フライパンの重さに
耐えかねて
何だか変形しちゃってるけど」
ママが棚を開けて
ブックエンドを
指さしているッ。
「……」
「…何かに
使えるかもしれない、は
結局
何にも使えないんだよな」
セイの謹言が
キラリと冴えたッ。
とことんトーコッ☆【150】
≪〜完〜≫
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