【142】

パパの似顔絵。

大掃除。

パパの押し入れの整理を
手伝っていたら

私が小学生の頃に描いた
スケッチブックが
大量に出てきた。

「あの頃のトーコは
似顔絵を描くのが好きでね」

パパの解説通り
スケッチブックの中は
人物の絵、ばっかりで。


「このやたら目だけが
おおきく描かれてるのは
セイだよね」

「ママのにぎやかな笑顔も
その特徴を
よく捉えているだろう?」

「あ、この全身ミドリは
タドコロさんだッ!」


セイにいっつも
下手ウマだ、って
バカにされてきたけれど

私にも案外
絵の才能が
あったんじゃないッ。


「ホント
こっちのパパなんて…」

と言い掛けて

私は思わず
次のコトバを飲み込んだッ。


パパのアタマには
横分けの
それはもう弱々しい
毛が数本ッ。


「…似顔絵なんて
正確に書くコトは
ないんだぞ、って
教えたんだけど、ね」


「……」

今ではすっかり
寂しくなってしまった
自分の後頭部を

苦笑いしながら
パパがそっと撫でつけた…。





とことんトーコッ☆【142】

≪〜完〜≫


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