【127】
音楽プレーヤー。
最新の
ポータブル音楽プレーヤーを
セイが貰って帰ってきたから
昨夜のうちにパパに
アムの新曲を入れて貰って
セイには内緒で
こっそり学校に持ってきた。
朝練の前に
ナンノに使い方を確認して
何度も何度も繰り返し
同じ曲を聴く。
やっぱり
アムの新曲は最高で…。
「…トーコってば」
まだ同じ曲を
聴いてるの?、って
部活前
ランニングしながら
音楽を聴いていた私に
並走していたナンノが
呆れながら私の耳から
イヤフォンを奪い取ったッ。
「いい加減にしとかないと
みんなすんごい目で
トーコのコト見てるよ〜」
「それくらい
気づいてるよッ」
このイヤフォンなんか
特注のクリスタルで
飾ってあって。
最新の音楽プレーヤーは
みんなの垂涎の的、なのは
当然だもん。
「コーチが来るまで
あと1〜2回は聴けるから!」
ナンノから
イヤフォンを取り返して
私は再びアム・ワールドに
浸り込むッ。
「気持ちよさそうだな」
後ろから
私に追いついてきた
シンスケに話し掛けられ
「え?、何か言った?」
イヤフォンを外して
問い直すと
「アムちゃんの新曲
随分気に入っている
ようだよな」
「私がアムの新曲聴いてるって
ナンノから聴いたのッ?」
私のリアクションに
苦笑しながら
シンスケは
私をそのまま抜き去って。
「お前が朝からあんまり
おおきな声で歌い続けてるから
俺、いい加減
歌詞、覚えちゃったぞ」
「……」
…みんなの視線の
本当の意味を知るッ。
とことんトーコッ☆【127】
≪〜完〜≫
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