【114】

秋の実り。

学校の庭掃除の手伝いをしたら
校長先生に柿を貰った。

「俺、柿、キライ!」


道でオバサンが落とした
コンタクトレンズを
いっしょに探してあげたら
栗を貰った。

「剥くのメンドクサイ!」


電車の中でお年寄りに
席を譲ったら
サンマを貰って。

「そのサンマッ
目はついてないだろうなッ!」


「…後は
サツマイモとマツタケで
秋の味覚、勢ぞろいだねって
ナンノと笑っていたら」

柿と栗とサンマを詰めていた
お気に入りのカバンの
取っ手が切れて

「排水溝の中に
全部落ちちゃったなんて
残念だったわね」

ママがいたく
同情してくれたけど。


「柿や栗の土産を持たされて

サンマもさぞかし
鼻高々で故郷の海に
帰っていったコトだろう」

お前は本当に
どこまでも親切なヤツだ、って

嬉しそうにするセイに

「セイにも秋の味覚を
体感させてあげるからッ」

サンマの匂いのついた
取っ手の取れた
お気に入りのカバンを

アタマから被せてやる私は

とことん
親切なオンナですからッ。





とことんトーコッ☆【114】

≪〜完〜≫



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