【102】

ご近所のタドコロさんが
ケータイを
新しい機種にするらしい。

「タドコロさん
方向音痴だから
ＧＰＳ機能つきのヤツに
するみたいなの」

いつも迷子になっては
通りすがりの善良なヒトの
お世話になってる
タドコロさん。


「世の中
いいヒトばかりじゃ
ないものね」

これからは
知らないヒトを頼らなくて
よくなった、と

ママが自分のコトのように
嬉しそうにした。

けれどッ。


「…タドコロさんって
ひとり暮らしだったよね？」

いったいどうやって
ＧＰＳを活用しようと
ゆ〜のやらッ。


…何だか
嫌な予感がしますッ。


「母さん。

ウワサをすれば
タドコロさんから電話だよ」

ママに受話器を渡しながら


「私ッ、今
どこにいるのかしらッ！？」


…セイが冷ややかに

タドコロさんの
口マネをしたッ。





とことんトーコッ☆【102】

≪〜完〜≫