【011】
実家の名字って。
学校の通知表に
パパが判を押してるのを見て
ふと思った。
「セイってさ。
結婚の為に籍を抜くとき
一瞬だけ
元の名字に戻るんだよね?」
「法律的には
戻さなくても
問題ないみたいだけど?」
…そうなんだ。
「じゃあ
私達、結婚しても
どちらも
名前、変わらないんだ?」
「セイの実家の名字を
名乗ってみたかったか?」
パパが複雑そうな
顔をしたモノだから
「違う名字を名乗るって
どんな気分なのかな、って」
ちょっと焦って
フォローするッ。
「ちなみに
セイの実家の名字って…」
「そんなの
墓参りについてくれば
わかるっしょ?」
廊下から
意地悪なセイのツッコミ。
お墓参りに
一緒に行こう、って
素直に誘ってくれれば
いいのに。
かわいくないッ。
「…セイは
ああ言ってるけど
お墓には
フリガナふってないからなあ」
パパが哀しい目をして
残念すぎる通知表を
私にそっと手渡した…。
とことんトーコッ☆【011】
≪〜完〜≫
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