【046】

ママ達が排水溝の中で見つけた
迷いネコ。

「なんと
タドコロさんの親戚のお家に
引き取られていったのよ！」


ママの話によると
タドコロさんの親戚は
たいそうなお金持ちだそうで。


「お腹いっぱい美味しいモノを
食べさせて貰えて

あたたかい寝床つきで

ブラッシングまでしてくれる
生活なんて」


排水溝の野良ネコから
えらい出世だ。


「あのネコちゃん
感激しちゃって

きっと
タドコロさんの親戚のコト
神様だと思っちゃうかもね」


ママとふたりで
盛り上がっていたら。


「案外、ネコって図々しいから

人間どもは
やっと俺様が神様だと気づいて
大切にし出したな、と

勘違いしちゃってるんじゃ
ないの？」


セイが
盛り上がっていた会話に
水を差すッ。


…図々しい、なんて

野良ネコだって
セイには
言われたくないと思うッ。


「セイこそ
自分は神だ、とか

勘違いしちゃってるんじゃ
ないの？」


「トーコ。

お前こそ
俺のコトを全能の神だ、とか
思い込んでいるんだろう」


…我が家の居心地は
そんなにもいいですかッ。





とことんトーコッ☆【046】

≪〜完〜≫