【048】

どっちが好き?

「ママ、お腹が空いた〜」

宿題に疲れて
キッチンに行くと

「これだけしかないから
セイにはナイショね」

ママが冷蔵庫の中から
チーズをひと欠片
私に渡してくれる。


「へへッ♪」

アルミホイルに乗せて
トースターで軽くあぶると

チーズのいい匂いが
立ち込めてきたッ。


「母さん。
このフランスパン
貰ってもいい?」

「!!!!」

セイの声に
思わず私は
背後を振り返るッ。


「このチーズは
パンに乗っけて

メイプルシロップを掛けて
食べると美味いんだよな」

セイがトースターに
スライスした
フランスパンを突っ込んだ。


「…言っておくけど
このチーズ
私の、だからね!」

「おまえの名前が
どこかに書いてあるのか?」


…横暴なセイの態度に

セイの私への愛を
疑いたくなってしまうッ。


「チーズと私ッ。
どっちが好きなのッ!?」


「決まってるだろ。

チーズを俺に譲ってくれる
やさしいトーコ、だ」


…返すコトバも
ございませんッ。





とことんトーコッ☆【048】

≪〜完〜≫



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