【049】
知ってる自慢。
「さっき階下で
ケンちゃんとジュナさんに
ひさびさに遇っちゃったの♪」
ママが嬉々として
リビングにいた私とセイに
報告してきた。
ここ4か月くらい
見掛けないと思ったら
ヒメミヤさん一家は
イギリスで
暮らしていたんだそうで。
「しばらく見ない間に
ケンちゃんってば
すっかり
お姉さんになっちゃって」
自分は
子どものつくり方だけじゃなく
子どもをつくらない方法も
知ってるぞッ、って
「イギリスの幼稚園って
とっても進んでいるのね〜。
ママ
思わず赤面しちゃったわ」
…それは恐らく
イギリスに行く前に
セイがつけた知恵かと
思われッ。
「……」
なのにセイってば
我関せずと言わんばかりに
新聞を読んでいるッ。
「そうそう。
セイに伝えて欲しいと
ジュナさんに
頼まれたんだけど」
”この借りはキッチリ
返させて戴きますから!”
…そのメッセージに
ジュナさんの恨みと口惜しさが
手に取るように
伝わってきますッッ。
「セイってば
何か親切なコトを
したみたいで」
とっても感謝されてるらしく
何回も、何回も
念を押されちゃったから
「お気遣いは無用です、って
ママ、代わりに
答えておいたわよ♪」
…自慢の息子に
鼻高々のママを見て
セイッ!
少しは胸が痛まんかッ。
とことんトーコッ☆【049】
≪〜完〜≫
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