【050】
やればできる子。
「もうやだああああ!!!
私、関数なんて
一生理解できなくてもいいッ」
解けない問題に
溜まっていたストレスが
イッキに噴き出した。
「おいおいおいおいッ!」
もうギブアップかよ、って
まるめたノートで
机に突っ伏する私のアタマを
セイがポコポコ叩いてくるッ。
「セイが
いっつもそんな風に
アタマを叩くからッ
私、おバカに
なっちゃったんだよッ」
幼稚園時代の私は
利口だった。
パンの値段を覚えるのが
得意だったし
おやつを分けるのだって
すっごく早かったッ。
「小学校の先生達だって
トーコちゃんは
やればできる子
なんだから、って!」
いっつも
言ってくれてたのにッ。
「そうか、そうか」
セイが私のアタマを
いい子、いい子して。
「やればできる子。
本当に誰にでも当てはまる
便利なコトバ、だよな〜」
さすがプロの教師。
いいセリフ
持ってるね〜、って。
「セイのバカッ」
そんなコトに
感心するなッ!!!
とことんトーコッ☆【050】
≪〜完〜≫
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。