【052】
黒いアイツ。
黒いアイツ。
私の最大の天敵ッ。
見ただけで鳥肌モノの
アイツが
久方ぶりに現れたッ!
なのにッ。
「存在を無視していれば
いないのと同じコトだ」
いちいち
ゴキブリが出たくらいで
騒ぎまくるな、って
セイってば
ゴキブリを退治しようとも
してくれないッ。
ゴキブリを
片目でチラ見しながら
丸めた新聞紙で
何度も
叩いては逃げられてッ。
そんな私を横目で見ながら
「そんなへっぴり腰じゃ
当たるワケないだろう」
セイは涼しい顔で
雑誌を読んでいるッ。
「もおおおおおおッ!」
決死の覚悟で
新聞で激しく連打を繰り返し
私がゴキブリに
猛攻撃を開始すると
ぶんッ。
ゴキブリが空を飛ぶッ。
「……」
「……」
ゴキブリは
セイの読んでいた
雑誌の上に着地してッ。
チャンスッ!!!!!!
「セイッ!
そのまま
雑誌を閉じちゃえッ!」
バシ…ッ!!
「……」
「……」
…殺った。
と、まさか
ぬか喜びだったとはッ。
「…セイッ。
どうしてゴキブリじゃなく
私のアタマを叩くかなッ!?」
「存在していないハズのモノを
どうして叩ける…ッ」
おかしなコトを言うなッ、って
セイの額に
汗が滲んでいてッ。
…ゴキブリを殺せない、って
何故
素直に言えんのかッ。
とことんトーコッ☆【052】
≪〜完〜≫
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