【054】
子犬と同列ッ!?
「はい。お利口さんッ。
よくできたなッ。
よしよしよしよし〜
よくやったぞ。
本当にいい子だぞお〜」
小学生の算数ドリルで
100点を取った私のアタマを
セイが嬉しそうに
くしゃくしゃにして
私の頬を両手で掴まえて
何度も何度もキスをした。
「……」
「どうした、トーコ。
何故、素直に喜ばない?」
…だってッ!!!
「アタマの悪そうな
近所のマメ柴を
今のと同じセリフで
同じように
セイが昨日、褒めてたの
私、知ってるんだからねッ」
いくら
私がおバカだって
子犬と同列はないと思うッ。
「…見てたのか」
「見てましたッ」
私の訴えに
セイの顔が
ふと、マジになる。
「あれは単なる
今日のこの日の為の
予行練習」
俺は、今日のこの日が
やってくるコトを
信じていたからな、って
私の右手の指先を
自分の掌に乗せた。
「だからさ。
次の問題も頑張って
100点取ろうな!」
今度は私の左手の前に
自分の掌を差し出してきて。
…さりげに
「オカワリ」を要求するのは
やめてくださいッ。
とことんトーコッ☆【054】
≪〜完〜≫
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