【058】
線香花火と浴衣姿。
今夜はママに
浴衣を着せつけて貰って
セイとふたり
夏祭りに足を運ぶ。
「線香花火が売ってるよ」
「ちょっと花火で
遊んで帰るか」
お寺の境内のマッチを
ひとつ譲って貰って
お祭りの屋台から
少し離れたお寺の境内で
ふたり
線香花火に火をつけた。
「どっちが長持ちするか
競争ねッ」
線香花火の先端が
まあるい玉になって
思わず
花火を持つ手にも
力が入るッ。
「あ、セイの玉が落ちた!」
「……」
「私の勝ちだねッ!」
「……」
「セイ?」
「…ああ。ごめん。
あんまり
かわいいかったんで
思わず
見とれてしまってた」
「線香花火の玉に?」
「トーコの浴衣。
本当によく似合ってる」
「……」
線香花火の玉までも
真っ赤になって
恥じらうように
ぽろり、と落ちた。
とことんトーコッ☆【058】
≪〜完〜≫
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