【065】
笑いの取れるオトコ。
最近、私が楽しみにしている
お笑い番組。
生放送で見たい私と
自分の忙しさを主張して
DVDを見たがるセイ。
テレビチャンネル権を掛けて
腕相撲で決着だッ!
ハンデは
角度にしておよそ45度。
スタートと同時に
体重を乗せるようにして
イッキに
勝負を掛けようとしたのに
あっという間に
押し返されたッ!!!
「うぬぬぬぬぬぬッ」
「どうした。
もうすぐ
生放送が始まっちまうぞ」
セイってば
余裕のよっちゃんでッ。
「もういいッ!
セイのケータイの
ちいさい画面で
我慢するからッ」
セイの手を
振り解こうとして
反対にもっと強い力で
握られてしまう…!
「…あんなお笑い芸人の
どこがいいんだッ」
「……」
「笑いをとれるオトコが
そんなに好きかッ」
…恐ろしいこの緊迫感ッ。
なのにッ
「よかったあああ。
ぎりぎり間に合ったわ〜!!」
買い物から帰ってきたママが
大急ぎで
お笑い番組にチャンネルを
合わせたりしてッ!!!
「ほら、トーコッ
若さまがテレビの中から
こっちに向かって
手を振ってくれてるわよ♪」
ぐぐぐぐぐッ。
私の手を握るセイの手に
いっそう力が入るッ。
…こんなときに
手を振ってくるなんてッ!
空気の読めない若さまなんて
もう応援なんか
してあげませんッッ!!!!
とことんトーコッ☆【065】
≪〜完〜≫
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