【069】

黒魔術の結果?

掛け算や割り算は
電卓がない状況なんかを
考えても

身につけておいても
損はない、ってわかるけど

「関数なんか勉強しても
5年後の自分に役立ってるとは
思えないッ」

「衣食住、最低限のコトだけ
チョイスして
生きていきたいのなら
夏はハダカで暮らしてろ」

セイがまた意地悪を言うッ。


「私は無駄になる努力なんて
したくはない、って
言ってるだけだよッ」

「本当に努力のできるヤツは
例えそれが徒労に終わっても
無駄だ、とは思わないモノだ」

いつも
要領よく立ち回っているセイに
言われても

説得力がありませんッ。


「あ〜あ。未来の自分に
逢ってみたいな〜…」

未来の自分に
本当に役立ったコトだけを
知ることができたら

無駄な努力を
する必要がなくなるだろう。


「…5年後の自分に
逢える方法が
ないコトもないが」

え。


「禁断の黒魔術」

セイが妖しく笑ってるッ。


「机の上に
未来へのドアがあると思って
ノックし続ければ

未来の自分の姿が
鏡に映るだろう」


そう言いながら
セイが私の前に鏡を置いた。


「……」

トントントントン。
トントントンッ。

そろそろ腕も疲れてきたッ。


「5年後の自分を見るには
どれくらい
ノックし続ければいいの?」


「ほんの5年間ほど、だ」

ってッ!!!

無駄に使ってしまった
私の時間を
お願いだから
返してくださいッッ!!!


「一生懸命取り組んでいる
トーコの横顔は
本当にかわいいな」


かわいい、かわいい
かわいすぎだ!、と

くにくに、と

セイがいつまでも
私のほっぺを捏ね回すッ。





とことんトーコッ☆【069】

≪〜完〜≫



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