【078】
ジュースの中身は…。
我が家に新しく仲間入りした
ジューサー&ミキサー。
「最新のはやっぱり
どこか違うわね〜」
ママが気に入って
毎朝、野菜ジュースを
作ってくれているのだが。
「小松菜にパインに…♪」
ママの創作ジュースは
当たり外れがあって
ちょっとコワイッ。
「そう言うからには
トーコは
さぞかしジュース作りに
自信があるんだろうな」
セイが
自分の好きなフルーツを
テーブルの上に
並べてみせて。
…ジュースが
飲みたくなったのなら
素直に
作って、と頼めばいいのに
かわいくないッ。
フルーツの皮をむいて
簡単にカットして。
「リンゴにバナナに…」
そうだ!
ナイショで
セイの嫌いなニンジンを
入れてやろう。
「ハチミツを
たっぷり入れたから
気づかないよね♪」
ふッふッふッ。
「さあどうぞ!」
セイの目の前に
出来立てのジュースを
でん、と置くと
「……」
セイの眉間にシワが寄ったッ。
「やり直しッ!」
…まさかッ
飲む前にバレたのかッ!?
私の額から
汗がこぼれ落ちてくるッ。
「このジュースにお前は
大事なモノを
入れ忘れている」
「え」
余計なモノが
入ってるんじゃなくて
「入れ忘れ…?」
「お前の
俺に対する愛情が
まったく入ってないッ!」
「……」
とことんトーコッ☆【078】
≪〜完〜≫
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