【085】

寝顔で決まりだ。

明日は学校で写真撮影。

顔の筋肉を解すべく
ママに美容ローラーを借りて
コロコロ、コロコロ
やっていたら

「ほら、トーコ!」

セイがケータイのカメラを
構えてきた。


「はい、チーズ♪」

にっこり、と
明日の笑顔のリハーサル。


「表情が硬いな〜」

カメラを向けると
どうして判を押したみたいに
必ず同じ笑顔に
なるんだ?、って

セイが
ケータイの画面を確認しながら
苦笑してるけどッ。

「この表情が
一番、写真うつりが
マシなんだモンッ」

どんな顔をしたって

「元がよくないんだから
仕方ないしッ!」

なんて

自分で言ってて
情けないッ。


「そんなコトはないだろう」

「また、そ〜やって
セイはバカにするんだッ」


「ほら、これを見てみろよ」

セイが自分のケータイの
画像フォルダを見せてきて。


「私の寝顔なんて
いつの間に
撮ってたのッッ!!!」


「思わず写真に収めたくなる
愛くるしさだったから」

むむむむむッ。

「な?、トーコも
自分でも可愛いと思うだろ?」

何とも、コメントに困る
気恥ずかしさですッ。


だけどッ。

「集合写真は
みんなの元にも残るんだし」

不本意に写って
一生後悔するくらいなら

「いっそのコト
明日は学校を休んで

集合写真の端っこに
欠席者の写真として
この寝顔の写真を
使って貰うかッ♪」

俺が学校側に
交渉してやる、って

セイがやたらと
張りきっていてッ。

「……」

…雨が降ろうと嵐が来ようと

明日は絶対ッ
学校は休めないッ。





とことんトーコッ☆【085】

≪〜完〜≫



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