【090】
目立たなかったネコ娘。
学校の文化祭。
ウチのクラスの出しモノの
お化け屋敷ッ。
私は小道具係を志望したのに
クジ運悪く
お化けのキャストに
当たってしまったッ。
当日。
「ネコ娘ッ。
なかなか可愛いぞッ」
部外者ハズのセイが
朝っぱらから
徹夜明けの高いテンションで
私にネコ娘のメイクを
施したりしてッ。
「セイくんが
助っ人にきてくれて
本当にありがたいわ〜」
セイのねずみ〜らんど仕込みの
本格的な特殊メイクに
クラスのみんなが感謝するッ。
「トーコ!
そろそろ
ネコ娘の交替の時間よ!」
現場監督の子が
私を急かすけどッ
「…この恰好のまま
人通りの多い
明るい廊下を通って
お化け屋敷会場まで
移動するんだよね?」
メイクが本格的すぎて
明るい外を歩く勇気が
どうしても出ないのですがッ。
「何言ってるの!
宣伝になると思って
道行くみんなの好奇心を
刺激してくるのよッ」
なんてッ
居直れと言わんばかりに
お化け屋敷の看板まで
持たされるッ。
「俺もついて行ってやるから」
セイが私の背中を無責任に
控室から押し出してッ。
セイと一緒に歩く方が
人目を引いて
かえって恥ずかしいッッ。
「…みんなが
こっちを見てるよおおおッ」
私は看板で顔を隠しながら
セイの背中に
貼りつくようにして
ちいさくなって歩きますッ。
「こんな目立つ格好の
私なんかを連れて歩いて
セイは恥ずかしくないの?」
「大丈夫。
みんなは俺しか見てないから」
「……」
とことんトーコッ☆【090】
≪〜完〜≫
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