【091】

グルメな牛丼。

休日のオトコの料理。

今日はパパが
牛丼を作ると言う。


たかが牛丼、だと
思っていたら

カツオブシと昆布から
ダシを作る本格派ッ。

溜まり醤油が
ウチにあるのは
知っていたけれど

そんなの何に使うのかと
ずっと思ってた。


「…ママが
買ってきてたんじゃ
なかったんだ?」

休みの日は
いつも本を読んでいるか
出掛けていたりするから

パパが料理好きなんて
あんまり
印象になかった。


「味をシメるのは
醤油ではなく塩で、だぞ」

パパの隣りで
パパの使ったまな板を
洗いながら

私はパパのウンチクに
耳を傾けて
いたんだけれどッ。


「セイは針生姜
食べれたよな?」

「……」

「セイには
これくらいレアな方が
いいかな」

「……」

…さっきからパパは
セイの好みばっかり
気にしててッ。


「私の好みとかは
訊いてくれないんだッ?」

口を尖らせる私に

「トーコには
好き嫌いなんて
ないじゃないか」

パパが困った顔して
苦笑するッ。


「父さんは
知ってるんだよ。

トーコは理屈じゃなく
とにかく美味しいモノが
大好きだ、ってコトをね」


ダイニングから
セイの声がして

振り返ると

「グルメなトーコの舌を
満足させる為の溜まり醤油。

気づけよな」


セイのセリフに

笑顔のママが
隣りでおおきく頷いていた。





とことんトーコッ☆【091】

≪〜完〜≫



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