【095】

袋詰め作業の戦力。

子ども会のイベントで配る
お菓子を
ママが大量に
我が家に持ち込んできて。

「明日の9時までに
完成させなきゃいけないの」

家族総動員で
お菓子を小分けする
袋詰め作業に取りかかるッ。


「できるだけ
公平な感じで分けてね」

…ママの要求はもっとも
なのだが。

お菓子は自治会のみんなの
持ち寄りだったから
同じお菓子がほとんどないッ。

高級なお菓子が
偏らないように、と

パパがパソコンで
高級そうなお菓子の
値段を調べて
1個当たりの値段を
はじき出してたりしてッ。


「ひと袋につき
380円から400円まで。

5種類以上
必ず入れるコト」

このルールに則って

セイもママもパパも
どんどん
袋詰めしていくけれどッ。

「パパッ!
ややこしくなるから
1個当たりの値段を
小数点まで出さないでッ」

私はケータイの電卓で
足し算ごときに苦戦するッ。


「ゆったり自分のペースで
手伝ってくれればいいのよ」

「トーコは
ムードメーカーなんだから
居てくれるだけで戦力だ」


「……」

”ムードメーカー”
という名の戦力。

パパとママから
暗に実力不足を指摘されッ。


カリカリ苛立つ私の横で

私の袋詰めしたモノを
さっきからセイが黙って
詰め替え直してるのも
気に障るッ。


「セイがお菓子を選り分けて
私がそれを袋詰めする方が
効率的よねッ」

私はセイから
袋を全部取り上げると

お菓子を
セイの方へと追いやって

「ヘイ、カモ〜ン!」

セイの選り分け作業を
準備万端待ち受けた。

のにッ!!!


「…トーコの楽しいオマヌケを
発見するとゆ〜
この上ない快感を

お前は
俺から奪うと言うのか?」


「……」

セイの暴言に

私は握りしめた自分のコブシを
じっと見るッ。


「…パパ、ママ…ッ!」

私ッ
ムードメーカーとゆ〜重責から
今、解き放たれても
いいですかッ。





とことんトーコッ☆【095】

≪〜完〜≫



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