【229】

ウルサイ店。

グルメ雑誌で絶賛されていた
味にウルサイと評判の
下町のもんじゃ焼きのお店。

ナンノ達
新体操部のメンバーを
誘って
部活後に
お店を探して立ち寄った。


「汚い店だけど
評判通り
まあ、美味しいじゃない?」

…一番もんじゃに
ガッツいているナンノが
上から目線でモノを言うッ。


「ちょっと、アンタ達ッ」

お店のオバサンが
ツカツカと
私達のテーブルに
寄ってきてッ。

「もんじゃの食べ方も
知らないの!」

ってッ。

「そっちの子!
お箸なんかを使って
食べてるんじゃないのよ!

ああッ!

その奥の子もッ!
何度も鉄板に
擦りつけないッ!!

そこはまだ混ぜちゃ
ダメなのよッ!」


「……」

…味だけではなく
食べ方にも
ウルサイ店だった。


「ヒジをついて食べない!」

「アンタ
猫背になってるわよッ!」

「……」


やれ、行儀が悪いだ、の

食べてる横で
ウルサイ、ウルサイッ。


「……」
「……」
「……」
「……」

じゅううううううう。

お通夜の席のように
静かになった店内に広がる
モンじゃの焼ける音と

美味しい匂い。


…セイを誘わなくて
いろんな意味で
やっぱり正解ッ。


みんな黙って行儀よく
緊張しながら食べ終わるッ。


「アンタ達ッ

美味しいモノを
食べてるんだから

もっと楽しそうな顔して
食べなさいよねッ」


…食べた後にも
怒られた。





とことんトーコッ☆【229】

≪〜完〜≫



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