【233】
ゲジ…。
「知ってるか、トーコッ」
ゴリラって本当の名前は
“ゴリラ・ゴリラ”って
ゆ〜んだぞ、って
ケンちゃんが得意げに
動物図鑑を私に見せる。
「ホントだ。
ケンちゃん
よく気がついたね〜」
図鑑の
こんなちいさな説明文にも
興味を持つなんて。
「何だかちょっと
セイのちいさい頃に
似てるわね」
なんて
ママとふたり
感慨にふけっていたらッ!
「じゃあな、トーコッ。
ゲジゲジの
ホントの名前はッ
知ってるかッ」
「……」
…何だか
とってもヤな流れッ。
「ゲジゲジ・ゲジゲジ?」
ママが私に代わって
答えてますけどッ。
「ブッブ〜!
不正解だッ!
正解はなッ
“ゲジ”だッ
“ゲジ”ッ!」
「ああ、だから!
ゲジが2匹いるみたいだ、と
ゲジゲジ眉毛と
呼ばれるようになったのね」
ってッ
ママの恐ろしいひと言に
みんなの視線が
遠慮がちに
私の眉毛に集まった…。
「ゲジ…」
私の眉毛を愛おしそうに
撫でるのは
お願いですから
やめてくださいッ。
とことんトーコッ☆【233】
≪〜完〜≫
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