【256】
何か違う。
セイとのデートの帰り
道端で
やわらかい
ちいさなボールを見つけ
足を止める。
「トーコ、何してるんだ?
置いてくぞ!」
先を歩いていたセイが
振り向いたから
「ねえ!
少し、遊んで行かない?」
キャッチボールしよう、って
ボールを見せたのに。
セイってば
その場に
かがみ込んだかと思ったら
パン!
手を打ち鳴らすッ。
「よしッ!、トーコ!
ここまで
くわえてこいッ」
「……」
何か違う。
それは違う。
ちょっと違う。
とことんトーコッ☆【256】
≪〜完〜≫
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