【265】
ベンチの持ち主。
バス停のベンチ。
せっかく空いているのに
ケンちゃんてば
いっこうに座ろうとしない。
「このイスの持ち主に
叱られるだろッ」
ケンちゃんが指さすそこには
“寄贈”の文字。
「ああ、これは
このベンチの持ち主の
お名前じゃないから大丈夫」
子どもらしくて
可愛いトコもあるじゃない。
だけど!
「名前じゃないなら
何て書いてあるんだッ?」
「……」
“寄贈”の字が読めませんッ。
「読めないクセに
名前じゃないなんて
よく断言できるなッ」
「それはッ!
読み方を
ちょっとド忘れしただけでッ」
この字の意味は
わかるんだ、って
子ども相手に弁明している
自分が哀しい…。
とことんトーコッ☆【265】
≪〜完〜≫
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。