【267】
松竹梅を知っている。
幼稚園バスの待合所。
バスに乗り込もうとしていた
ケンちゃんの肩が
お友達の肩に触れ
「キサマッ!
何組さんだッ!」
ケンちゃんのおおきな声が
響き渡った。
「まつ組さんの“まつ”は
松竹梅の“まつ”
なんだぞッ!」
うめ組ごときのピラ公に
軽く見られちゃ
困るんだよなッ、って
でっかい目をギラつかせ
ケンちゃんが
年下の幼稚園児を
泣かせてるッ。
「……」
私はケンちゃんの姿に
気づかないフリをして
そっとその場を
通り過ぎようとした。
のに。
「ケンちゃんって
あの年で
松竹梅なんて古風なコト
よく知ってるのね」
ママがいたく
感心していてッ。
「トーコも
勉強、頑張らなきゃ
そのうちケンちゃんに
追い越されてしまうわよ」
「…ママッ」
これって
そういう問題
なんでしょうか?
とことんトーコッ☆【267】
≪〜完〜≫
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