【272】

お姫様のように。

「よおおおおし!
やれば出来るじゃないか!

セイが私の満点の答案用紙に
小躍りしていて。


…ケアレスミスをしない
という目的を持った

教科書、ノートの
持ち込みO.Kの

クラスのほぼ全員が満点の
テストだったという内情は

この際、セイには
伏せておこうッ。


「よくやった!
よくやった!

ん〜!
ホントに可愛いヤツだ!」

セイが私のサイドの髪を
両手でくしゃくしゃにして

自分のオデコを
私のオデコにくっつけて
喜んでいるッ。


…前々から
思っていたんだけど。

「セイってさ。
私のコト
犬か何かだと思ってない?」

「え?」

「だってッ!
近所のマメ柴を
可愛がるときと

まるっきり同じコト
してくるじゃないッ!?」


「……」

私の疑問に
セイは真面目な顔をして
私を見つめていた。

「……」

…セイのキレイな瞳。

思わず
吸い込まれそうになる。


「…小動物のように
お前を
愛しているのではない。

これは
愛おしいモノを目にしたとき
人間が自然にしてしまう
所作にすぎない」


「でもッ!

たまには私だって
お姫様みたいに
扱って貰いたいしッ」

「お姫様?」

セイが自分の端正な顔を
私の顔に近づけてきた。


「じじじじじッ自分でもッ
ガラじゃないのは
わかってるけどッッ」

いかんッ!

私ってばッ
王子様のキラキラオーラに
完全に気圧されていてッ

「ふふん」

不敵な笑みを湛えた
王子様が

私の目の前に
自分の手を
華麗に差し出してくる…!


「お姫様、お手をどうぞ」

「お手…ッ?」





とことんトーコッ☆【272】

≪〜完〜≫



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