【277】

遅刻のレポート。

うっかり寝坊して
しっかり遅刻ッ。

「いちいち
遅刻の理由を書いて
先生に提出、なんて
面倒臭いよね〜」

遅刻の常習犯の
クラスメイトは
たった1行【寝坊】と書いて
済ましている。

「寝坊したのは事実だけど
寝坊したのには
ワケがあるしッ」

セイが算数のドリルを
全問正解するまで
なかなか私を寝かせて
くれなかったから、で

ムダに夜更かししてた
ワケじゃない。

「その辺を先生にも
わかって貰わなきゃなッ」

昨夜、どれだけ私が
セイになじられ甚振られ
屈辱にまみれながら
ドリルをやっていたのか。

レポート用紙8枚に書き連ね
翌朝、先生に提出した、ら!

「先生がねッ
面白かった、って!

私にこんな文才があるなんて
びっくりしてねッ」

先生に体育以外の才能を
期待されるなんて!

「明日、万が一
遅刻しちゃってもいいように
今から遅刻の言い訳を
下書きしておこうかなッ」

前よりもっと
面白く書かなくちゃ。

極上のプレッシャーが
なんともはや心地よいッ。


張り切って机に向かう私を
横目で見ながら

「…先生って職業も
大変だな」

セイが静かに
溜息をついていた。





とことんトーコッ☆【277】

≪〜完〜≫



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