【279】

月に帰ります。

それは、月のきれいな夜。

「もしも
私が実はかぐや姫だ、って
言ったら
セイはどうする?」

「…どうもしないさ」

「月からの使者が来たら
私は月に帰らなくちゃ
いけないんだよ!?」

「ふふん。
いくら頑張っても
トーコは月へなんか
行けやしないね」

セイがまた
さりげなく私をバカにする。


「何でそんなコト
言い切れるのかなッ」


「決まってるだろ。

何があろうと
誰が迎えにこようと

俺が絶対、お前を
離してやんないからな」


それは、それは
月がやさしい夜でした。





とことんトーコッ☆【279】

≪〜完〜≫



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