【280】

私が勉強しているリビングで

ケンちゃんがママと
ティッシュの箱やら
ガムテープやらを使って
戦隊の衣装を制作している。

「ほらットーコも着てみろ」

ってッ、ケンちゃんッ
私の分まであるんですかッ。

「ママだとびみょ〜に
サイズが合わないのよねえ」

ってッ、ママッ
それって絶対に、確信犯ッ！

「勉強の気分転換に
それを着て
町内をひと周りしてきたら
どうだ？」

ってッ
１３点の答案用紙を
ひらひらと
セイッ
これって罰ゲームですかッ！

「なッ！
かっこいいだろ？」

私に作品を着せつけて
セイに同意を求める
ケンちゃんッ。

「そうだなあ…」

セイッ、いつもみたいに
辛口のアドバイスッ
お願いしますッ。

「ま、すれ違うヤツは
みんな
振り返るんじゃない？」

「おおう♪」

「……」

気を良くしたケンちゃんが
私の手を引っ張って
玄関へと踊り出たッ。





とことんトーコッ☆【280】

≪〜完〜≫