【292】

恋は、なぞ…なぞッ?

最近、幼稚園で
流行っているという
なぞなぞ遊び。

「じゃあ、問題です!
火をつけたら
イケないランプは
何でしょう?」

「おおう…むむ」

こんな簡単な問題にも
アタマを悩ませている
ケンちゃんを見ていると

やっぱ、私の方が
ずっと賢いじゃん、と
自然に頬が緩んでくるッ。

「ヒント出せッ!」

「ヒントはナシで〜す」

子ども相手に大人げないと
笑うなら笑え!

なのに!

「ヒント。
先週の戦隊の話の中に
出てきてたぞ〜」

なんてッ

先週、ケンちゃんと
戦隊の番組を見ていた
セイが

横から
ケンちゃんに助け舟ッ。

「ガチンコ勝負に
ヒントはナシだからッ」

ソファーに座っていた
セイに向かって
蹴りを入れようとして
カカトを片手で掴まれたッ。

「冒頭のシーンで
青のお兄ちゃんと
黄色のお姉ちゃんが
ふたりで
楽しんでいただろう?」

さらにたたみ掛ける
セイのヒントに

「わかった!
SEXだなッ!?」

ケンちゃんが
ドヤ顔で答えてるッ。


「……」

「違うのかッ!?
青と黄色のふたりなら
火がついても
問題はナイのかッ!?」

…なぞなぞが、どうして
そんなオトナの問題に
発展するのかッ。

「そうだな。

青のお兄さんが
赤や緑のお兄さんと
できちまったら
ややこしく
なりそうだがな」

なんてッ
幼児相手にそれ以上の
突っ込んだイケない想像は
許しませんッ。

「冒頭のシーンで
青のお兄さんと
黄色のお姉さんが
ふたりで楽しんでいたのは

ポーカーという
トランプゲームッ!

“火をつけたら
イケないランプは
何でしょう?”

答えは
“トランプ”でしたッ!」

はい、なぞなぞは
これでおしまいッ、と

戦隊のDVDを掛けて
その場を誤魔化そうとした
私の後ろで

「シンキングタイム
一方的に打ち切るなんて
ズルイよな〜」

嫌味なセイが独り言ッ。


「セイは本ッ当に
変なコトしか
ケンちゃんに
教えないんだから!!」

「そお?」

抗議する私の唇に
セイがチュッと
不意打ち気味に
ちいさなキス。

「……」

「おいッ
DVDはどうしたッ」

こっちを振り向いた
ケンちゃんに

「えッ、あッ!
DVDね、DVDッ」

思わず、焦って
ドキドキドキッ。


ケンちゃんに
見られちゃってたら
どうするのつもり
だったのか。

「…ホンットにもおッ」

セイの言動は
幼児の教育だけでなく
私の心臓にも悪いッ。


なのに、セイってば
何もなかったかのように

「上は大火事
下は大水、な〜んだ?」

ケンちゃん相手に
さらなる
なぞなぞを持ち掛けていて。

「違うだろッ!
それを言うなら
“上は大水、下は大火事”で
答えは“鍋”だッ」

ツッコミ訂正を入れる
ケンちゃんに

「ははは。よく知ってたな」

セイは余裕で笑いながら

「上は大火事、下は…」

私の紅潮した頬から下半身に
思わせぶりに
その視線を移動させッ

「はッ!!!」

もしかして
今のなぞなぞの答え、って

“私のカラダの状態”
ですかあああああッ!?


「言っておきますけどッ
私ッ、感じてなんかないしッ

卑猥な想像ッ
しないでよねッッ!!!」


「???
トーコは何をひとり
興奮しているんだ?」

ケンちゃんの純粋な疑問に

「さあ。どうしてかな」

すまして答えてる
セイのポーカーフェイスが

マジ、憎らしいッ。





とことんトーコッ☆【292】



この作品をお読みになった
感想をお寄せください。


下記の感想の中から
ひとつ選び

【いいね!】ボタンを押すと

お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。


絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。



特に感想はありません。
次の話も期待しています!
今回の話は特にお気に入りです!