【328】
不審者の特徴。
前を歩く親子連れ。
パパとママと
3歳くらいのオンナノコ。
「今、保育園から
送られてきた防犯メール。
不審者の特徴が
身長160〜180?って
いくらなんでも
大雑把すぎるわよねえ」
若いママさんが
苦笑しながら
ケータイの画面を
旦那さまに見せていた。
「目撃者が
子供だからだろ?」
確かに、子供から見たら
160も180、どちらも
見上げちゃうくらいの
おっきいオトナなんだろう。
「いい?、変な人がいたら
一番目立つ部分を
覚えておくのよ」
ママさんが子供に
アドバイスしてるけど
「ほら、パパだったら
アゴが、こう
しゃくれてるでしょ」
なんて、ひと言多いッ。
「ママだったら
出っ歯だよなッ」
「ほら
この二段腹にも注目よ!」
夫婦して必死で我が子に
同意を求めていて
聞こえてないフリしなきゃ
笑っちゃダメだ、と
わかってはいるけれど…。
そんな私に気づいてか
夫婦に挟まれながら
歩いていたオンナノコが
「……」
ときどき振り返っては
私の方をじっと見ている。
「…あは?」
「眉毛ボンッ」
「え」
…幼いその指は
まごうコトなく
私を指さしていた…。
とことんトーコッ☆【328】
≪〜完〜≫
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