【341】
ママの日本史。
家族みんなで
クイズ番組を鑑賞中。
「日本史ならパパも少しは
自信あるんだけどな」
パパが珍しく
勝気なトコロを
みせるモノだから
「あら、私だって
日本史のテストは
得意だったのよ!」
パパの隣りでママが燃える。
『続いて日本史の問題です』
テレビの司会者が
我が家のリビングを
盛り上げた。
『全国遊説中に岐阜県で
板垣退助が暴漢に襲われて
負傷した際
板垣が述べたと脚色され
世の名に広く知れ渡った
自由民権運動の名言とは?』
「ぐはッ!」
「……」
「……」
「…板垣死すとも
自由は死せず、かな…?」
『徳川家康による
会津上杉征伐の発端と
言われている
上杉景勝が家臣の直江兼続に
命じて実行させたコトとは…』
「口に出すのも
恥ずかしいくらい
くだらないコトッ!」
「……」
「……」
「…神指城の築城、だと
思うんだけど…」
ママの天衣無縫の解答に
家族一同
戸惑いを隠せないッ。
「あら、それは家康の
建前にしかすぎないわ!」
「……」
「……」
「……」
「ゴミの出し方が
気に入らない、とか
自分が定価で買った服を
セールで買って
自慢された、とか
争いなんてね
日頃の些細な不満、鬱憤が
積み重なった結果だと
ママは思うのよ」
「……」
「……」
「……」
「その、何とか城の築城?
それだって、まあ
家康としては
相手をやり込める為に
正当な理由が必要だっただけ
なんでしょうけどね」
「……」
「……」
「……」
…ママの日本史の先生ッ。
お気持ち
お察し申し上げます。
とことんトーコッ☆【341】
≪〜完〜≫
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