【344】
その指の名は…?
セイが私のお皿から
ハンバーグの上のチーズを
奪おうとしたから
私はチーズを
急いでハンバーグの中に
混ぜ込んだ。
「…お前ッ俺の好物を
知っているクセに
性格悪いぞッ」
セイが自分の行為を棚に上げ
私を指さし、非難するッ。
「そうやって
ヒトを指さしするの
やめなよねッ!」
「指をさして何が悪い!」
セイのやんちゃな指が
さらに私の顔に近づいた。
「……」
セイの非常識さは
今に始まったコトでは
ないけれど。
「ヒトを指さすのは
失礼なコトだって
幼稚園児でも
知ってるからッ」
「……」
私を見る
その冷ややかな目ッ。
「なによッ!?」
「じゃあ、教えてくれよ。
どうしてこの指は
“人さし指”って
呼ばれてるんだ?、え!?」
「……」
ああ言えば、こう言う。
「ほら説明してみろよ!」
「……」
「あ、そうか。
トーコにとって
この指はもっと
“特別なモノ”だったな」
自分の指を
長い舌でねっとりと
ひとナメすると
セイはエロティックに
ハンバーグの中に
自分の指を
出し入れしてみせる。
「……」
「この指に名前を
つけるとしたら
そうだなあ?」
ママ達の帰りが遅いコトを
いいコトに
セイのやりたい放題が
始まった。
「トーコなら
どんな呼び名で
この指を欲しがるのかな?」
「……」
私の目の前に
指を提示しながら
セイの綺麗な顔が
近づいてくる。
「…ヒトをッ
さしてはイケない指ッ。
略して“人さし指”ッ!」
「…どうしてそうなる」
とことんトーコッ☆【344】
≪〜完〜≫
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