【345】
限界を超えろッ。
オモチャの電池を
取り換える為
ちいさいドライバーで
ちいさいネジと
ママが格闘していた。
「あ、もおおおお!
ん〜、んん。
何ッコレ
全ッ然ッ回らないわッ」
「ママッ、気をつけないと
ネジの窪みが潰れて
電池のフタが
取れなくなっちゃうよッ」
「言われなくても
わかってるわよッ」
焦り苛立つオトナの横で
「おいッ、マユミッ
ドライバー、ってのはなッ
押す力は70%ッ
回す力は40%のバランスで
回せばいいんだぞッ」
ケンちゃんが
どこかで聞きかじってきた
知識をドヤ顔で披露ッ。
「ケンちゃんって
何気に物知りだよね」
素直に感心する私に
「おい、信じるなよ。
70と40じゃ100%を
超えちゃってるだろ」
「あ」
こんな簡単な
たし算も出来ないのか、と
言わんばかりに
セイが冷ややかな目を
私に向けてくるッ。
「…100%のチカラじゃ
足りない…」
「ママ…?」
「私がこのフタを開ける為には
己の限界を
超えなければいけない、って
コトなのね」
ドライバーを握る
ママの目が
キラリ、光った。
とことんトーコッ☆【345】
≪〜完〜≫
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