【353】

忘れられない…。

捨てたハズの
大量の答案用紙。

マンションの住民によって
【落とし物】として
ポストに投函されていた…。


「すれ違うヒトみんなが
私のテストの点数を
誤解してるんじゃないかと
思ったら

恥ずかしくて
外にも出られないよ」


「“誤解”?
“把握”の間違いだろ?」

呆れ顔のセイが
メイプルシロップのフタを
開ける。


「だってッ!

捨てたのは、20点以下の
ヤバイヤツばっかだしッ」

こんなコトになるのなら
永久保存版の答案用紙の方を
捨てるべきだったよおおお。


「ヒトのウワサも
75日って言うわよ。

トーコもさっさと
忘れちゃいなさい」

ママが
焼きたてのパンケーキを
私のお皿に盛りつけた。


生クリームの甘い香り。


「…二次関数のコトなら
簡単に忘れられるのに

恥をかいたコトを
いつまでも
忘れられないのは

何故なんだろう…」


溜め息をつく私の横で

メイプルシロップのついた
指を舐めながら

「そうか
その手があったか」

セイがニヤリと笑ってる。


「恥ずかしいプレイで
楽しみながら覚える
二次関数!」


「……」

「忘れられない夜に
してやるぞ」





とことんトーコッ☆【353】

≪〜完〜≫



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