【362】
あえて動かない?
「トーコ〜。お腹すいた」
リビングのテーブルで
ミシンを掛けていた
私のパーカーのフードを
セイがアタマに
被せてきた。
「…食パンがあるから
焼いて食べれば?」
「じゃあ
それにスライスチーズと
ハムをのっけて!」
…今、手が離せない
状態なんですが。
「あ、パンの耳は
ちゃんと落とせよな」
「……」
「ほら、早くしろよ。
俺が飢え死にしても
いいのかよ」
セイがミシンのコードを
引っこ抜くッ。
「パンくらい
自分で出来ないの!」
「完全無欠の俺が
何でもやってしまったら
お前のやるコトが
なくなってしまうだろ?」
「……」
「お前の将来を考えて
あえて動かない俺って
何てトーコ思いなんだろう」
…動かない、と言いながら
さっきから
私のスカートの中で
遊んでいる
その手は何なんですか?
とことんトーコッ☆【362】
≪〜完〜≫
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