【370】

適温とは…。

女子新体操部に
テレビの取材が来て

「絶対にミスは
許されないからねッ」

部長のナンノの
気合が入り過ぎで
怖いくらいだ。


「ナンノは
ああ言ってるけど

今日はいつものように
リラックスして
いこうねッ!」

「はいッッッ!!!」


今回、はじめて
レギュラー入りした
後輩ちゃんも

肩にチカラが
入り過ぎている…。


「アツくなるのはいいけど
程々にねッ」

私は後輩ちゃんの両肩を
両手でほぐした。


「ほらッ。

すごく高価なお茶でもさッ
熱すぎると
飲めないじゃない?

何でも適温が大事だよッ」


「お前、先輩らしいコト
言ってるじゃん」

見学に来ていた
シンスケが笑ってるッ。


「トーコはそうやって
すぐ後輩を甘やかすから!」

ナンノの目が怖かった。


演技はノーミスで
無事、終了し

テレビクルーが
最年少レギュラーの
後輩ちゃんに
マイクを向ける。


『レギュラーに
推薦してくれた先輩方の
生ぬるい期待に
応えなきゃ、って
最初は緊張したけれど

みんな、生温かい目で
見守ってくれていたので

リラックスして
演技に集中できました』


放映された番組の
テレビ画面の端っこに
写り込んでいた私を

「…さすが
お前の後輩だな」

セイが冷ややかな目で
指で弾いた。





とことんトーコッ☆【370】

≪〜完〜≫



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