【378】
そんなに好きなの?
町内会長さん一家が旅行中
ワンちゃんの
散歩とエサやりを任された。
「なんで俺まで…」
と言いながら
犬のリードを手にしている
セイのその後ろ姿は
嬉しそう。
便意を催すワンちゃんが
しゃがむ寸前に
手慣れた調子で
お尻の下に紙を差し入れ
セイがしっかり糞を
受け止めてくれるから
ホント楽させて貰ってます。
「はい、ど〜ぞ」
私がエチケット袋の口を開け
セイが処理した糞を
いつものように
待ち構えていると
なんだかいつも気になる
この視線ッ。
「…ねえ。このワンちゃん
排便する度に、私の顔
じいいっと見てるけど
何か私に言いたいコトでも
あるのかな?」
「フン」
セイがリードを操り
「いくぞ」
犬と一緒に歩き出した。
「犬からしてみれば
“このおねいちゃん
なんでいつも
僕のウンコ欲しがるの?
ウンコが
そんなに好きなの?”
ってカンジ
なんじゃないの?」
「……」
何度も振り返り
意味ありげに
こちらを見る犬に
どうやったら
この気持ち
伝えられるんだろう。
とことんトーコッ☆【378】
≪〜完〜≫
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。