【393】

おてつだい券。

「これ、セイの部屋から
見つけたんだけど」


ママが私に提示してきた

“おてつだい券”。


色鉛筆で殴り書きした
幼いその文字に
見覚えがある。


「たしか、これ
セイの誕生日の…」


プレゼントを考えるのも
買いに行くのも
面倒臭かったから

私、こんなモノで
適当に済ませようと
したんだよね。


「あのときのセイだから
通用したけれど」


今、こんなプレゼントを
よこそうモノなら

「……」

想像するのも恐ろしい…。


だけど。


「セイ、こんなの、まだ
持っていてくれてたんだ…」


申し訳ないやら
嬉しいやら

幼いセイの想いに

胸の奥がキュ〜ンと
締めつけられた。


「……」


そんな私の顔を


「貰ったときは
あんなに喜んでいたのに

セイってばきっと
使い惜しみしてる間に

忘れちゃってたのねえ」


ママがイタズラな笑顔で
覗き込んでくる。


「ねえ、トーコ?

勿体ないから
この“おてつだい券”

ママが今、使っちゃっても
構わないわよね?」





とことんトーコッ☆【393】

≪〜完〜≫



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