【422】

ナンノの家を
初めて訪ねたときのコト。


「門のトコロで

“犬にご注意”って
派手な貼り紙が
一番に目に入ってきたから

どんな猛犬がいるのかと
思っちゃったよ」

ナンノの部屋がある
２階の窓から見下ろすと

門のすぐそばで
毛足の長い
おおきなワンちゃんが
穏やかに
くつろいでいる。


「吠えたり、噛みついたり
そういう心配は
ナイんだけど…」

ナンノが苦笑いした
その瞬間ッ

宅配業者の配達員らしき
おにいさんが門を開け

玄関に向かおうとして

「うわッ」

足元の犬につまずいて
転倒した。


「あちゃ〜
また、やっちゃったか〜」

「……」


「あの配達員、貼り紙が
目に入らなかったのかしら」

ナンノが口元を尖らせる…。





とことんトーコッ☆【422】

≪〜完〜≫