【430】
田舎育ち。
今度の教育実習生の先生は
ハンサムなんだけど
口数が少なくて
声もちいさい。
「方言って
やさしい響きがあって
素敵だと思います!」
キラキラな女子高生に
囲まれて
「…都会の子は
まぶしいから」
照れて下を向く
純朴なハニカミ笑顔が
可愛いくて
「都会の女子高生だからって
緊張するコトないですよ。
私なんか
田舎が似合う顔だね、って
よく言われますから!」
ついついリップサービス
してしまっていたけれど。
「そこまで田舎を
バカにされたくないけどね」
「……」
気をつけよう
ハートフルな方言と
人畜無害な笑顔に隠された
恐ろしく厳しい目ッ。
家に帰って
「ねえ、ママってば
ちゃんと聴いてる〜?」
夕飯の準備に
忙しくするママに
まとわりつきながら
長々と愚痴っていたら
セイが
「自分のコトを
勘違いしてるお前が悪い」
バカバカしい、と
読んでいた
ドイツ語の雑誌を投げ出し
テーブルの上に足を乗せて
ふんぞり返った。
「お前には田舎より
俺の方が似合ってる!」
田舎育ちのセイが
威張ってる。
とことんトーコッ☆【430】
≪〜完〜≫
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